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ちいさいヨット

ちいさいヨット

 ロイス・レンスキー 作 福音館書店

 

 絵本を読んでいるのにじっと聞いてくれない。そんな経験ありませんか?絵本は、絵と文章のバランスがとても大事です。文章の量が一枚の絵に耐えきれなくなった時、子どもの反応はとても正直で、心がすぅっと離れていくのが目に見えるようにわかります。この絵本は、読み手の大人が一息入れたくなるような長い文章も多いのですが、我が家のガサゴソ息子でもじっと座って聞いてくれる数少ない絵本です。「スモールさん」シリーズの1つであるこの「ちいさいヨット」では、スモールさんがヨットの準備をする姿が細かく丁寧に描かれています。その気持ちの良いリズムが子どもを夢中にさせます。そして優しく温かみのあるタッチの絵は、子どもだけでなく大人も楽しませてくれ、いつのまにか子どもと共にお話の中に入り込んでいる、そんな絵本です。

 

 

今回イラストを描いた表紙は2色刷りの旧版。2005年にはカラーの絵本が出版され、ヨットの色や周りの景色が鮮やかで楽しげになりました。でもこの2色刷り、白黒なのにまるで色がついているかのような、とても味わい深いイラストです。古本屋さんで見つけたら最新版と比べてみるのも楽しいかもしれません。