どろだんご
たなか よしゆき 文 のさか ゆうさく 絵 福音館書店
「どろだんごつくろ ビーだまみたいに ぴかぴかのつくろ」
子どもたちの手がページいっぱいに現れて、ひたすら泥で遊ぶ様子が描かれた絵本です。乾いた土をさらさらと、かたく握ったどろだんごにまぶしたり、どろのスープを両手ですくったり。写真では表現できない、実物以上の泥の魅力が、野坂勇作さんの絵に溢れています。泥遊びにはまりかけている子がいたら、この絵本にもきっとはまります。息子は2才の頃、砂場で母の作った泥だんごを潰して楽しむのが日課でした。自分で作ることはしませんでしたが、公園でどこかのお姉ちゃん・お兄ちゃんが夢中で泥だんごを作っていると、仁王立ちになってじっと眺めていました。水道と砂場を何往復もし、砂をさらさらとかけて、何度も何度も泥をこする、お兄ちゃん達の細かい作業の数々は、そのどれもがあこがれの動きのようです。。。。そんな子ども心を捉える泥だんご作りの魅力が、扉(中表紙)の絵一枚で描き表されています。この絵を2才の頃じっと見つめていた息子は、3才の今では「いらっしゃいませー、おだんごでーす。」と嬉しそうに自分で泥をころころこねています。