わが家の息子は寝ない子でした。外出してベビーカーに乗ると、興奮して目がキラキラ。大好きな電車の中では目はギラギラです。ベビーカーや電車の揺れが気持ちよくて眠るなんて、嘘の様な話でした。そんな息子ですから、ベビーカーで奇跡的に眠った時には、大急ぎで最短のカフェを探し、コーヒーを頼み、ほっと一息・・・もちろん静かな時間は一瞬で、泣き始めた息子をあやしながら大慌てでお会計をすませることにはなるのですが・・。ベビーカーでスヤスヤ眠る赤ちゃん達の横で楽しそうに会話を交わすお母さん達が、どんなに輝いていたことでしょう。
ベビーカーを卒業し始めた頃、歩くのが楽しい息子と2人でカフェを楽しもうと試みましたが、元気な子をあの背の高い子ども用の椅子に座らせるのは簡単なことではないのです。息子にとってじっと座っているなんて、とても理解できないこと。動きたいんだから。そう、立てるようになったんだよ、僕は。
3才の今は一緒にカフェは諦めましたが、それにしても、どうしてここまでして行きたかったのでしょうか。必死になって、後で疲れ果てて後悔するのがわかっていても、今日はいけるかもしれないと思ってしまうのです。束の間でも、たった一息つけるだけで、いろんな大変なことがリセットされるので、また頑張れる。だから無理してでも必要な時間だったのだと思います。
ちぇすなっとには、子どもがつかまり立ちするくらいの、低いカウンター机があります。そこに低いお母さん用の椅子と子ども椅子を準備しています。カフェに飽きたら、くつろぐお母さんを残して、店内のおもちゃのところまで自分で遊びに行くのもいいし、ちょことちょこと歩き回ったっていいのです。もちろん高い机用の子ども椅子も準備しています。ちぇすなっとに来てくれる子ども達はその高い椅子にじっと座って、おいしそうにビスケットを食べてくれています。低いカウンター机はあまり利用されていません。それでも、わが息子のような元気な子連れのお母さんが来た時のために、この机は外せないなぁと、日々机を拭いています。
写真の赤い椅子はお母さん用です。ZAGAKUという、座椅子をもとにデザインされた椅子です。座ると子どもと同じ目線になる、ナラの木の持ち手が心地いい椅子です。子どもと共に過ごすと驚くほどしゃがむことが多いですよね。そんな時「ちょこっと」座るのに便利ですので、同じものを本棚の近くにも置いています。
写真の子ども椅子は、キッチン道具のデザインでも知られる小泉誠さんのkakui-na(カクイーナ)です。栃とウォールナットでできた子ども用なのにとっても「カッコイイ」椅子です。
ほっとできる時間は本当に一瞬かもしれませんが、それでもそのつかの間のリラックスタイムが、日々の子育てに再度取り組む力になればと願っています。