はるまで おあずけ
内田 麟太郎 文 村上 康成 絵 ベネッセコーポレーション
クリスマスの絵本は驚くほどたくさんあります。いろんな作品がすでに作られている中、クリスマスを題材にすると決まった作家さん達は、きっと考え抜いて、趣向をこらして、1冊の絵本を作りあげるのでしょう。肌寒くなったころ、本屋にきらきらと並ぶクリスマス絵本は、かわいいだけの本ばかりではありません。そんな作家さんのアイデアがつまった、きらりと光る絵本がいくつもかくれています。
「はるまで おあずけ」は、タイトルにクリスマスらしい単語が一つも入っていない、めずらしい絵本です。「サンタ 絵本」とネット検索してもまず上位には入ってきません。「はる」という言葉とサンタクロースの絵が並んでいる表紙は、違和感がある分、一体どんな本なのと興味をそそられます。
ページを開くと、とてもやさしい雪景色の絵。サンタさんとトナカイくんが動物たちにプレゼントを届けるお話しです。サンタさんが何を「はるまでおあずけ」と言ったのか、最後に理由もわかってほっこり。
12月、サンタさんがくる日を指折り数えている子どもと読みたい1冊です。