おつかい
さとうわきこ さく
福音館書店
主人公がいい子の絵本よりも、あまりいい子ではないほうが、子どもは惹かれるような気がします。自分と同じだと思うのでしょうか。気持ちが理解できるからでしょうか。こうやってはむかえばいいのねと悪知恵を吸収しているからでしょうか。
雨の日、お母さんに「おつかい いってきてちょうだい」と言われたこの絵本の主人公は「いやあよ」と返事してばかり。あーだこーだと行かない言い訳を繰り返します。お母さんも決して、よく絵本に出てくるやさしいお母さんではなく、どこかにいそうなお母さん。子どものエスカレートしていく言い訳に、イライラをまったく隠さない、気合いいっぱいのお母さんです。
いやいや言っている子がいたら、ぜひ読んでみてください。