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ゴールディーのお人形

ゴールディーのお人形

M.B.ゴフスタイン 作 末盛千枝子 訳 

すえもりブックス

 

ゴールディーの仕事は人形を作ることです。

森で拾った木の枝を彫り、人形を作ります。

とても丁寧に、心をこめて。

人形作りには買ってきた四角い木ではなく、森で拾った枝を使います。枝からできた人形のほうが「生きている」感じがするから。

 

仕事について、生き方について、少し迷いが出てきたときなどにこの絵本をひらいてみると、自分の本心のようなものが見えるかもしれません。

 

物語後半、ゴールディーが中国のランプを手に入れたところから、結末にむかって物語がおもしろく展開していきます。その熱を持った後半もいいのですが、ゴールディーの作り手としての仕事ぶりを描いた前半も静かな魅力を放っています。

 

私は、前半のゴールディーが家で作った人形をお店に持っていくシーンが好きです。ただ好きで作っているのではなく、仕事として、必要とされて、作っている人形。それをお金にかえて一人で生きている少女。ゴールディーが何才なのかはわかりませんが、何をして働くのかということにスポットのあたっためずらしい絵本です。ふわりと描いている世界観ではなく、地に足ついた生き方に、どこかほっとするのかもしれません。