新しい年が訪れましたが、サンタの話です。
12月25日が過ぎると唐突に街中からクリスマス飾りが消えてしまいましたが、5才の息子はまだサンタさんの余韻と共に暮らしています。
先日は赤い画用紙で作った大きなサンタ帽をかぶった小さなサンタが家の中でプレゼントを配り歩いていました。
昨年のクリスマスイブ、「今日はサンタの本を読むことにしよう!」という息子の提案で、サンタの絵本を引っ張り出して来て寝る前に読むこととなりました。
絵本屋を営んではいますが、家にはクリスマスの絵本が少なく、今回初めてクリスマスイブにサンタの絵本を読んでみて、旬の絵本を読むということの素敵さに遅ればせながら気づかされたところです。
5才となると、プレゼントへの期待は4才の時よりも大きく、ツリーや街の飾りにもときめき、周りの人から「24日はサンタが来るよ」と言われる頻度も増えるので、そのわくわくは相当なものです。普段の生活でも空想と現実の世界を行ったり来たりしている息子ですので、サンタが本当にいるのかという疑問が浮かぶこともなく、必ずいるのはまちがいないサンタが、ついに自分の家に来るというわくわくで胸高鳴っていました。
クリスマスイブに読んだ3冊の絵本はそんな夜にぴったりの絵本。
「あのね、サンタの国ではね」は、
サンタクロースのクリスマスまでの1年間のお話。
2月は子どもたちから届いた手紙を読み、
9月はおもちゃを箱に詰めてリボンをかけて・・・
12月についにソリを走らせるまでのサンタの1年が、ひと月ごとに描かれています。
「はるまでおあずけ」は、
森の動物たちにプレゼントを運ぶサンタクロースのお話。
冬眠中のオオカミ、ヤマネ、トラたちに、サンタクロースがそおっとプレゼントを配ります。
「サンタクロースとれいちゃん」は、
サンタさんが待ちきれなくて雪の夜道をパジャマ姿で探しに行くれいちゃんのお話。
れいちゃんはサンタさんにまちがって袋の中に入れられてしまいますが、サンタさんの袋の中はとってもいい気持ちなのです。
息子と寝転んで絵本を読んでいると、絵本の中のサンタさんが今夜自分のところにもやってくるという胸の高鳴りがじわじわと伝染してくるようでした。これはお話の中での出来事だけど、それなのに、これから自分の身に起こる出来事と重なり合うもの。絵本と現実がシンクロして、なんだかすごいことになっている息子の胸の内が伝わって来るのでした。私自身も小さな頃、枕元にプレゼントのシルエットを確認しながらもう一度眠りについた時のドキドキがじわっと蘇えって来たのです。
12月25日の朝目が覚めた息子は、枕元にちらりと目をやり、プレゼントを見つけました。大喜びでプレゼントの袋に飛びつくかと思いきや、口元に手を当て、こっそりと「かあちゃん・・・サンタさん・・・きた!」とささやく息子。
そうでした。サンタさんはそれほど特別で神聖な存在でした。
あの日の余韻にひたりながら、1月になった今も、我が家ではサンタクロースの絵本を楽しんでいます。