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育児のエスプリ(おすすめの本)

育児の本というのは基本的には「この方法だったらあなたも上手くできる」を伝えることを目標としているのではないでしょうか。全ての本がそうではないし、その表現の仕方に強弱の差はあっても、母としてこうあるべきというメッセージが隠れていることがとても多い。だから育児書を読んだ後は、本に書かれた方法で子どもと関わってみたい、関わらなければいけないと思わされてしまう。できそうな気がしても実際はそう簡単にいくはずもなく、結局本を読む前よりも落胆して終わりということも私の場合はよくあります。

 

そして今世の中に浸透している「母だってきらきらしたい」という風潮。そのスローガンは、がんばる気持ちにさせてくれる時もあるし、重荷となる時もあります。時には子どもを忘れて自分のことにのめり込んでいいという言い訳にもなったり、四六時中子どもといることが善なのかもわからなくなったり。その答えはそれぞれの家庭の中にあるはずなのに、「きらきら素敵なお母さん」の方向にまるで自分意外の日本中が向かっているような錯覚に陥ったり。そんな流れに「あれっ」と感じた時、私は毛利子来さんの「育児のエスプリ」をよく読みます。

この本は徹底的に母の味方をしよう、落ち込ませないでおこうという配慮を込めて語られています。読んでいて苦しくならないし、読んだ後、「よし私もやってみよう」と心がギラギラすることもありません。

「お母さんだけどきらきらしたい」という言葉と現実とのずれ。お母さんはどう頑張っても、頑張れば頑張るだけ、ばたばたでぼろぼろになってしまう気がします。でも心はきらきらかというと、いえいえとんでもない、心にも疲れが浸透していると、私の場合は感じています。

 

子どもとの日々がどんなものであれ、「私の家庭はこれでいい」と強く心に思えていることが本当の自然なきらきらにつながるのだと思うのです。それを手助けしてくれる一冊。子育て中、周りが気になり出した時に何度も助けられています。