本屋へ行って、ずらりと並んだ棚から好きな絵本を選び出すのはなかなか難しいことです。
子どもが「欲しい!」と言った絵本も、「本当に?」「なんとなく言ってない?」ということはよくあるけど、じゃあそもそも絵本ってどう選んだらいいのか。
私はその基準は、一見して「好き」と、読んでみて「好き」の2つかなと思います。
誰が好きかというと、子どもと、それを読む人と。できればどちらもが、時にはどちらかが。
我が家では、ちらっと見て好きだと思った絵本は、まず読んでみます。
図書館やちぇすなっとの絵本棚、実家から譲り受けた絵本達の中から、息子や私の選んだものを読みます。1回ではなく、数日おいてまた読んだりと、できるだけ何回も読みます。その中から、息子が好きそうと感じたものや、自ら「欲しい!」と言った絵本を息子にプレゼントしています。
決定する前に何回も読んでいるのは、絵本には親しむ時間が必要だと感じているからです。
何度も読んでいる中で主人公に親しみを持ち、物語の中に入って行きやすくなることもあります。何度も読んでいると話の展開がわかり、次はこうなるぞとワクワクしながら読むことができます。大人は展開がわからない方が楽しいですが、子どもはその逆であっても、あるいは逆の方が、安心して楽しむことができたりします。何度も読んでいると、絵の細かなところに発見がいくつもある絵本もあります。
そうやって何度も読む中で、最初は好きだと思っていなかった本が結構お気に入りになっていることもよくあるのです。
こども園で自分で借りてきた絵本を一緒に読む時の息子はなんともうれしそうです。おもしろい絵本を私に教えてあげられるし、何よりその本を家で読むということにワクワクするようです。そして読んでみて、息子の反応を見て、これは好きなんだなと納得した絵本は迷わず購入します。
発売されて大人気という絵本を買ってみたけど、あまり好きにならなかったということも多々あります。ただ、だからといって失敗ということでもなく、その絵本をずっと棚に置いておくと、ふと手にとってその絵本が大好きになることも大いにあるのです。買った頃は時期じゃなかったというだけのことも。
なので、本屋でもし気になった絵本があれば、まず子どもと一緒に読むのが一番だと思います。何回も読むのは難しいかもしれませんが、せめて1回でも、これが好きと思った直感を信じて、読んでみることだと思います。
そして子どもが好きそうだったり、それを読み聞かせることになる自分が好きだったら購入するというのがいいのではないでしょうか。
絵本は何かを学ぶものではありません。
絵本を読まないからといって、何かが失われるものでもないと思います。
子どもにいいものを選ばなければと思うと、選ぶのは途端に難しくなってしまいます。だから、極端な言い方ですが、絵本をおもちゃの延長線上のように考えたっていいんじゃないだろうかと思っています。ただおもちゃと違うのは、大人が堂々と介入できて、楽しいよということ。
そう、絵本は楽しい。
子どもと同じ物語の世界に入り込むことができるのです。
2人で読んでいたら、2人だけの冒険ができるのです。
だからぜひ、好きな絵本をみつけて読んでみて欲しいなと思います。
何かを学ぶためじゃなくて、楽しむために。
一番簡単なのは、好きな絵本が揃っている本屋さんを近くに見つけること。
ちぇすなっともそんな絵本屋としてたくさんの人に選んでもらえるようになりたい。
本屋としての悩みは、どうすれば選びやすいように並べられるか。これが本当に難しく、日々試行錯誤です。何度も手を加え、最適の本の数や場所を考えながら、本棚を変化させ、成長していきたいと思っています。