· 

絵本と子どもの年齢〈その1〉ー絵本選びに年齢は関係あるかー

絵本を選ぶ時は、年齢に縛られることなく、子ども自身や、その子どものことをよく知る大人が決めるのがいいと、基本的には思っています。

 

「年齢」が絵本選びの1つの物差しとなることは確かです。

なんといっても、子どもは成長していく存在。1才の頃の語彙と比べると、3才や4才の語彙は桁違いです。知っている物が増え、理解できることも増え、子どもの持つ世界は大きく広がっていきます。その年齢の子ども達の語彙や興味の対象などを配慮して作られている絵本。出版社が示す対象年齢を参考にして絵本を選ぶのはとても理にかなっています。

ただ、例えば5才の子が好きになった絵本が3才を対象としていた場合、もう大きいからこの子には向いていないと、好きな絵本が選択対象から除外されてしまうこともあります。ですのでちぇすなっとでは何才向けと明確に表示して本を並べるということはできるだけしてきませんでした。

心を動かされる絵本というのは、子どもの年齢を超えて、それぞれにあるのだから、枠にとらわれずに絵本を選んでもらえるようにしたいとずっと思っていました。でも、背表紙がずらりと並んだ棚から絵本を選ぶのは、案外難しいのです。そこに年齢という枠があると、選ぶ基準が生まれて、本がずっと選びやすいかもしれません。

 

ちぇすなっとでは、「選書えほん便」という取り組みをしています。それぞれの人に沿ったおすすめの絵本を選んで送っています。

送る相手は大人の場合もありますが、やはり子ども達が多く、誕生日のプレゼントとしての依頼もよくあります。本を送る子どものことはできるだけ詳しく教えてもらいます。どのような子で、何が好きで、どんな絵本が家にあるか。でもやっぱり出会ったことがないので、重要な情報となるのが、年齢です。

 

今3才でこの本を読んでいて、もうすぐ4才ならこの本はどうかな。そろそろこんな時期だから、この本はどうだろうと、自分の身近にいる同じ年齢の子どもを想像しながら本を選んでいます。

これまでは、対象年齢という枠を超えて絵本は自由に選んでほしいと思っていました。でも年齢というのは、一方でいろいろなことを決める物差しになるのだと選書を通して改めて感じるようになりました。

 

これから、年齢別のおすすめ絵本を、ちぇすなっとの特集棚「今回のテーブル」でも並べていく予定です。

子どもの年齢に沿って、絵本はどう変化していくのか。私なりに年齢という視点から絵本を読み直して、少しずつブログでも綴っていきたいと思っています。

 

1才におすすめしている絵本でも、2才でも3才でも、もしかすると6才の子が好きになることも多いにあります。1才の子におすすめの絵本でも、その絵本を好きにならない子もいると思います。

対象年齢に沿って絵本を選ぶ必要はありませんが、それが絵本を手にとるきっかけとなればと思います。

 

いろいろな絵本を読んでいくことで、年齢の枠に縛られない、その子にぴったりの絵本にきっと巡り合えます。絵本が楽しいと感じる子どもが一人でも増えたら、とても嬉しいです。