「もうすぐ生まれる赤ちゃんに絵本を買いたいのですが」とお店に来てくださるお客さんが時々います。
ベビーカーに小さな赤ちゃんを乗せて来てくれる方もいます。
どんな絵本がいいか尋ねられた際は、小さな子を対象としている絵本の中から、それを読む方自身が好きだと感じる絵本を選ぶのがいいと伝えています。
0才の成長は目を見張るものがあります。
寝転んで手足を動かしていただけの赤ちゃんが、いつの間にか寝返りをし、ハイハイをし、ついにはつかまって立ち上がったり。言葉のようなものを発するようになったり、周りに反応して笑ったり、感情も日々豊かになっていきます。
誰かが微笑んだり、声をかけたりするだけで、嬉しいや楽しいが生まれる時期。息をそっと吹きかけるだけで驚いたり、笑顔になったり。
そんな赤ちゃんに、絵本はまだまだ必要ないかもしれません。おもちゃだってまだいらないかもしれません。
だけど周りの大人としては、ずっと向き合って声をかけたりあやしたりしていると、手持ち無沙汰になることだってあります。そんな時の道具として、おもちゃがあるととても助かります。
そのおもちゃに変わるものが、人によっては絵本の場合もあると思います。絵本は読んであげないといけないものではなく、そのくらいの軽い気持ちで手に取るものでいいと、私は思います。
赤ちゃんの周りにいる人が幸せであること。
それが赤ちゃんの心が元気であるためにとても大切なことです。そのためには赤ちゃんとコミュニケーションをとる方法を周りの人が持っていること。人によっては、絵本を読むことがその1つです。
自分の好きな絵本を赤ちゃんに読む。それだけで赤ちゃんには、読んでくれている人の気持ちと共に、あたたかい時間として伝わるだろうと思います。
だから、赤ちゃんにどんな絵本がいいですかと尋ねられた時、「読む人自身が好きだと思える絵本がいい」と答えているのです。読む人が好きだと感じる絵。読んでみて楽しいと感じる言葉のリズム。
なんとなく絵が好きじゃないとか、出てくる言葉が元気すぎて、読むのに気後れしてしまうとか、そんな絵本もあるだろうと思います。どれだけ0才におすすめと紹介されている絵本でも、好きにならなければ無理に読まなくていいと思います。
それでも騙されて読んでみると、赤ちゃんの反応で、こんなに面白かったのか、という絵本もあるかもしれません。赤ちゃんが反応するから、思いがけず自分も好きになってしまって、今までと絵本を見る目が変わることだってあります。私の場合は、息子が生まれてからそんな発見の連続で、絵本の好みはガラリと変わりました。
だから、自分がいいなと思った絵本や、そうではないけどもしかしたらと思う絵本を、一度は赤ちゃんに読んでみて、反応を見てみることも、絵本選びではとても大切なことだと思います。
0才と読む絵本はとても楽しいです。
笑い合ったり、びっくりしたり、言葉を交わすきっかけとなったり。
たった一冊の絵本が、赤ちゃんとの時間を、あたたかくて豊かなものにしてくれます。
お気に入りの一冊と出会えますように。
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今回のテーブル「0さいの本棚」*終了しました
2023年7月25日(火)〜8月5日(土)
ちぇすなっとの店内で、
0才に読んでほしい絵本を並べています。
ぜひお越しくださいませ。
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