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自営業と生活はぐるぐる繋がる

10月初旬の2人目の出産に伴い、ちぇすなっとは産後1ヶ月の休業を予定してます。

9月になり臨月に突入し、夫よりひと足先に私が産休に入りました。

 

長男が2才の頃にちぇすなっとの開店を決めてから、開業準備や日々の営業に、今までフルスピードの6年でした。

今回初めて徐々に速度を落とし、店に全く行かないという日々がついに始まったことに、まだ心が落ち着いていません。

 

そもそも絵本屋を始めたいと言い出したのは私。夫婦の店と言いながらも、あらゆる点で私が一人先走り、恐らくは様々な葛藤を抱えながらもついてきてくれた夫を横目に、突っ走り続けて今があります。動きを止めることなどあり得ませんでした。

 

だけど出産となると物理的に身動きが取れなくなります。

妊娠がわかってから今日に至るまでも、体調が安定しない日も多く、夫が一人で店をオープンし続けてくれました。そして9月からの1ヶ月、ちぇすなっとは夫によるワンオペとなります。

 

この半年ほど、私の担当していた部分(主に絵本に関すること)のあれこれを夫に引き継ぎました。

蓋を開けてみると、今までいかに分かり合えていなかったか、私が先走りすぎていたかが、明るみに出てきました。6年越しに改めて率直に話し合って共有できたことがたくさんあり、1人でも、ちぇすなっととして1ヶ月やっていけるだろうという目処が立ちました。

 

夫婦で店を運営するのは簡単ではありません。

店の方向性に関して、どちらかが折れなければいけない状況も多々あります。店として抱えていた様々な不具合も、一度私が手放し、夫が受け取り、一旦は一人で切り盛りすることで、意外にも2人の店という感覚が強まった気がしています。

 

9月に入り、子どもを迎える準備を始めながら、凝り固まっていた気持ちがほぐれてきています。

やはり自営業であっても、やりたいことであっても、仕事は仕事。歯を食いしばっていました。今回店から気持ちを切り離すことで、逆に発見がたくさんありそうな予感がしています。

 

長男はもうすぐ8才。小さな頃は無条件の自信に満ちていましたが、小学生になった頃から、「おれ、絵下手やから」とか「おれ、弱いから」とか「おれ、泣き虫やから」とか、ネガティブな言葉を口にするようになりました。たくさんのことを理解できるようになったからこそ、自分のダメな部分が見えるようになったことに、親として戸惑いました。

 

楽しみだったはずの小学校も、しばらくすると「行きたくない」と言い始め、毎朝一緒に歩くことで、なんとか登校していました。徐々に一人で歩く距離を増やしていき、2年生の今はけろりと元気に一人で登校しています。

息子は着実に成長しています。親が引っ張らなくても成長していくのが子ども。見守っていれば、いつか何とかなる。自分の力で何とかなった時には、それが大きな喜びとなるということを、笑顔で手を振り学校に向かう息子を見送りながら実感しています。

 

そして9月、学童へは行かずに授業が終わると真っ直ぐ家に帰ってくる息子と、日中久しぶりに2人で過ごす日々が始まりました。兄になることにも当初は戸惑いを見せていた息子ですが、最近は心待ちにしている素振りも増えてきました。

親として日々の成長を見守りながら、大人とは桁違いに成長し、それを喜びと感じる子どもの力強さに、頭が下がります。

 

商売はなかなか難しい。

でもちぇすなっとを始めてよかったと、今改めて思うのです。

子どもの存在は、家族に大きな変化をもたらします。その変化に対応できるかどうか。不安もあるし、自信もありません。脱落しそうになる日がやってくるかもしれません。

でも子どもが成長を大きな喜びと捉えるように、家族の変化を楽しむことができたなら、ちぇすなっとという店も、いい意味で変化するかもしれません。

 

自営業というのは、家族の生活とダイレクトに繋がってしまい、それが生活の地盤を揺るがしかねないという危険も大いにあります。だけど、店と家族が繋がっているということは、どこかが変われば一方も柔軟に変化していけるということ。働き方も生活の捉え方も、全て繋がって良くも悪くもなっていく。だからこそ自由で楽しいのかもしれません。